[プロットNo003]ココロ調整機アルファ

2022/06/20 – 作成中
このプロットは2021年から書かれたものです。

高度成長を経てGDP世界第2位まで昇り詰めた日本。
しかしバブル崩壊後30年経済は停滞し、日本は経済によって支配された。
格差社会は進み少子高齢化は大きく進んだ。
日本円の価値は大きく下がった。為替市場で円へ期待されることは無くなった。
安い国となった日本へは多くの海外来訪者から爆買い国となった。
それだけではなかった「安い」は経済、土地、文化まで買われていく状況となった。
日本の魅力は「安い」しかなかった。しかし外貨を獲得できる状況の中、「安い」に甘んじる政策を取ることしかできなかった。
海外に買収された企業から利益は海外へ流出し税収は激減し増税をせざるを得なかった。
富裕層からの大幅増税を余儀なくされた。
そのため優秀な人材は海外へ流出した。
労働者の不足により、海外からの労働者は増えた。ただし海外の労働者も日本へは期待を持って来たわけではなかった。競走社会に疲弊した者たちの終着地となった。

閉塞感、目標や期待の持てない中ただ時が過ぎるのを待つことしかできなかった。



※このストーリーはフィクションです。
全ての固有名詞は実際のものと全く関係ありません。
リスペクトを持って利用させていただいておりますが、実名の苦情があれば変更します

時代は進み2030年ーーーー

タイメイというあだ名で呼ばれる者は大衆車に成り下がったレクサス車で登場する。
それも排ガス規制違反のLC500 V8 5000cc の自然吸気型だ。

『まだこれに乗ってるんですか?』とインタビュアーは言う。
「まぁ実際は警察も黙認だからねぇ、やっぱりエンジン音の魅力は忘れられないんですよね。」
「エンジン音は今主流のデジタル合成音ではやっぱりモチベーションが変わってきます」

タイメイはソニーが好きだった。
ソニーが開発した、ペット型ロボット「AIBO」に名付けた名前を愛犬につけたほどだ。
今ではそのネーミングセンスは少し日本では古さを感じさせた。

タイメイはありがとうが言えなかった。人に感謝することができなかった。 そんな中、当時Tiktokで人への感謝の気持ちを伝えることは幸福感が得られる。幸福が得られると認知症対策にもつながる。
毎日寝る前に1番感謝した人を思い浮かべありがとうと言葉にすることが重要だと。
タイメイはそれ以来、毎晩「ありがとう」を伝えた。

「ありがとう」を言ってもらえない状態で奉仕し続けるほど人生で苦しみはないと思っていた。認知症患者の介護などの現場はまさにこの状況。

タイメイは認知症やうつ病といった現代病を解消したいという願いに繋がっていたからだったのだ。

当時、2020年ごろから認知症やうつ、精神病などが大きな問題となっていた。今となっては古い時代の社会課題を解決したかった。

タイメイもその頃ネット炎上という精神疾患とも言えるものに何度も生きる気力を失われてきた。


最初のデバイスは耳と脳波紋を取得できるツールだった。

軽量化に成功しつけていても負担を感じない形で耳から耳の後ろにかける形でのデバイスを開発した。


ログイン認証のための最初の登録は以下の4つ
・嬉しかったことを30秒間思い出してください。
・辛かったこと、悲しかったこと、ネガティブなことを30秒間思い出してください
・私が「はい」と言ったら頭の中で肯定するイメージを思い描いてください。
・私が「いいえ」と言ったら否定するイメージを思い描いてください


以上で 無事脳波紋の登録は完了しました。

今では脳波紋による認証は一般的ではあるが、当時はセキュリティ問題で何度もバッシングを受けた。

ソニーもこの活動に協力してくれた。
認知症やうつ病対策として、ペットが効果的なことはわかっていそこにたので、aiboの開発を再開した。

当時アップルという会社のスティーブジョブズは、ソニーを愛していると公言していた。
恐ろしいのはソニー社員ですら、自分達を愛しているという言葉だけを信じ、アップル信者となっていったのだ。

そして、ウォークマンという世界のプラットフォームとなり得るデバイスは「賢い者たち」に潰されることになる。

その頃、日本ではブルーレイの標準規格を争う戦いを日本では最重要として考えていた。
その時既に、スティーブはクラウド化を進めていた。
彼は徹底的に日本企業を苦しめた。

CD-ROMドライブをそもそもなくしブルーレイ、CDというメディアを無効化。

多くの規格がある有線接続の口を無くすことで多くの特許で埋め尽くされた有線接続をそもそも無くしてしまおう!

この戦略の煽りを大きく受けた形になったのは日本という国だった。

しかし、スティーブも本当にソニーを愛していた。
ただ、スティーブの方が一枚上手だったから、愛していたが判断の遅くなったソニーの上をいく形となってしまったのである。

日本企業は、あぐらを書いていたわけではない。
ただ、多くの国内の基準や制度、文化に縛られ、当時のような革新的なものが生まれない国になっていた。

それがiPhone(スマートフォン)の誕生と繋がっていく。
モバイルの音楽再生デバイスは終焉を迎えることになる。

ただ実際はハードウェアもソフトウェアも品質は今のようなブランドはなかった。
完全防水に対応しセキュアで安全な通信を提供していたi-mode
ガラケーと呼ばれた携帯の方が優れていたのである。

しかし、スティーブはそれらの製品を独自に作っていた。
日本企業とは表立って組むことはなかった。

愛してもらっていたソニーですら部分的にそのスマートフォンの部品開発を担当したがその名前が出ることはなかった。アップル製品は日本企業を完膚無きまでに叩きのめすこととなる。

日本にとってはスティーブの活動は悲劇的な話であった。
そのスティーブを日本人は愛している。

これが「賢い者たち」の戦略だったのである。


アメリカでは「ジャパンバッシング」という活動を見てきた時代の人間たちが
まさに企業を動かせるポジションになっていたのだ。日本企業に対しての配慮などはそこにはない。
日本製は世界経済ゲームを危機に追いやるリスクとして世界認識とされ、半導体を含めたIT関連技術から姿を消した。

日本にその業界へのモチベーションは生まれなくなっていった。

今まで信じていた技術が世界的に不要だと切り捨てられたのだ。ジャパンバッシング2世世代の感情によって、つまりはプロバガンダの代償のような状況で。
防水技術も液晶技術もバッテリー技術も通信も全ては世論(賢い者たち)に逆らって開発ができないことを思い知らされた。

そんな中でタイメイは新しいプラットフォームとなった「ココロ調整機アルファ」、デバイスを作成していった。

タイザンOSのエンジニアがこのプラットフォームにかけるために参加した。
この時 日本もこのプロジェクトに1億円の出資を申し出るがタイメイは断っている。

日本はその当時 現代病である、認知症、うつ、自殺者の増加などが社会問題となっていた。
それをなくせるデバイスということで、日本政府も1億円を持って出資してやるというスタンスだった。
断られた時に時の大臣は恥をかかされたと激怒する。
しかし、わかっていなかったのは日本政府の方だった。
1億点程度の出資ではタイザンOSのチーフエンジニアの1年分の給与でしかなかったのだ。

それに対し、全てのお金の流れ、経営的意思決定などの報告を求めたのである。
この「ガバナンス」という名の業務で日本からはベンチャー企業は生まれなくなっていることにすら気づけていなかった。

(映画ゴジラでの政府の承認フローなど、権力を分散させることで安全性を高めた日本のシーンを揶揄するシーンが登場している)

その横で数兆円ものお金を公共事業という名目で支払う現実がある。
そこには真のガバナンスは効いていない。そのたった数%。でも数十億円もの金が不明な流れに消えていたのだ。

当然その数十億円はイノベーションへの投資にはならなかった。
政府の投資方針の戦略はスタンスだけでこの大きな予算の改革をすることはできなかった。


タイメイはアップル信者の1人で毎年100万円以上のアップル税をMacやiPad、iPhoneといった製品を購入し続け「納税」し続けた。
しかし、これはソニー対するスティーブの戦略と奇しくも重なる状況となるのであった。


-タイメイは脳の現代病である多くの問題を解決してくれる。「ココロ調整機アルファ」デバイスの開発を開始する-

しかし開発当初から厳しい状況に身をおかれることになった。
ココロ調整機は宗教、洗脳ではないか?と当時あったオカルト宗教の名前を出して批判される。メディアから大きな批判を受けることで大手企業やVCなどからの出資などはことごとく拒否されていったのだ。


リリース時の主力機能であったモチベーション低下、ネガティブマインドを併発したときにAIが自動でタイミングと分析し、声をかけてくれる機能は当初、 マインドコントロールとまで否定される。


実際、このAI技術は、検知するとタイメイに通知がきて。タイメイがそれに「応答ボタン」を押すというAIとは言えないもの。
タイメイはご飯を食べる時も歩いている時もデートをしている時も応答した。
タイメイのスマートフォンには「ココロ調整機アルファ」を接続した全ての人がネガティブな気持ちになった時に通知が来た。
それに対しタイメイは四六時中応答した。
「応答」することで感謝の気持ちが伝えられる仕組みになっていた。

開発資金はタイメイの個人資産を投げうったがすぐに底をついた。

このデバイスは当時先進的だったiOSやAndroid OSを使わず独自 OSによる開発をおこなったからだ。

この OSにはモノ作りに強い日本が再復興させられるチャンスを用意した OSだったのだ。
「ココロ調整機アルファ」は物理接続の制御を大きくサードパーティに公開する仕様で作られた。

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