乱立するクラウドサービスに対応するモバイルデバイスのあり方

クラウドサービスという大きな流れの中でiOS11という大幅アップデートをアップル社は発表した

ios11は2017年秋リリースに向けてベータ版として事前に公開された。

iOSやwatch OS、macOSのベータ版ダウンロードは下記からできる

 

iOS11の進もうとしている道

明らかにiPad(タブレット)機器をパソコン化させようと進めている。
しかし、大きな間違いを犯した可能性があると考える。

  1. パソコン化を進めたOSでスマートフォンデバイスのOSに採用する戦略

  2. マルチタスクや端末ローカルでのファイル操作機能という時代遅れの戦略

 

1.まずPC版に最適化されたOSをスマートフォンOSとして導入したことで失敗したWindowsフォンという素晴らしい事実があるにもかかわらず、その道を踏み込んだ。

現状のiOS11(beta2)の状況ではあるが、iPhone7+に入れて明らかにパフォーマンスは落ち、不安定な状況は増した。秋までにどこまで改善できるかだが、iPad向けの機能を多く搭載したOSを搭載することはMicrosoftがWindowsOSにこだわり、モバイルファーストでのOS開発が出来なかった状況と同じ構図になる可能性がある。

 

2.確かにローカルでのファイル操作は悪くはない。

しかし、これはAndroidが当初からやれていた技術。
マルチウィンドウもAndroidではすでにできている技術。(マルチタスクとは違うものではあるが)

マルチビューとローカルでのファイル保存という機能の目的は、メールに添付されたファイルをメモにドラッグする。ブラウザに表示されている画像をメールにドラッグして貼り付けるなど、

今の時代のコンピュータ上の作業は「参考情報」を開き、「自分の作成場所」にコピーするというシーンは確かに多い。

この問題の解決はできているが、今一番重要な解決すべきものはそこではない

 

多くのクラウドサービスを使う時代へ対応したデバイスであること

クラウドサービスは当然だがiCloudだけではない。Appleの独占領域ではない!
Evernote、Google Drive、Dropbox、GMAIL、写真、動画・・・・数え切れないクラウドサービスが展開されている時代

ユーザーにとって、どこの会社のクラウドサービスかは重要ではなく、どういう情報を見たいかというところにある。

 

例えば、「ベトナム旅行計画」で整理したいと思ったら、
写真は写真アプリ、旅行日記はエバーノート、日程表はスプレッドシート、空港チケット情報はメールデータといった、それぞれのアプリを起動し、情報にアクセスする。

1クリックが負担である時代にそれぞれのアプリから一度ホームに戻り、別のアプリを起動し、対象のデータを検索する。しかも、その情報にアクセスはできても情報をまとめたことにはならないのだ。

 

つまり、今後のモバイルデバイスに求められる一番重要なことは

多くのクラウドサービスの存在をみとめ、その情報にシームレスにアクセスできる状況をつくりあげること。

 

一つその意味ではAndroidは先にいっている。

デスクトップ(背景壁紙)領域をデベロッパーに開放し、複数のサービスの直接のファイルを指定したショートカットを置くことができる。Googleドライブにある「ベトナム日程表」というスプレッドシートへの直接起動ショートカットと、Dropboxの「ベトナム旅行スクラップ画像集」というフォルダへの直接起動ショートカットといった形で。

デスクトップ(背景壁紙)領域にある程度情報をまとめることができたのはウィジェットとしてデベロッパーにこの部分を開放したことにより実現できた。(操作方法が定まっていないが、Dropboxの指定したフォルダへのショートカットなどはウィジェットから作成ができる)

 

※iOSはブラウザリンクをホーム画面に置くことはできるがこれはあくまでブラウザが起動するだけ。
直接アプリ内のデータへのアクセスにはならない。

 

多くの乱立したクラウドサービスをモバイルという一番ユーザーに近いところにあるデバイスでは適切に情報を整理出来る状態が求められる

まだクラウド乱立の争いは終わらない。
だからこそそのクラウドに分散されたデータを統合する環境をosレイヤーに期待したかった。

その点では iOS11の設計思想に期待をしていた分、非常に残念なものとなってしまった。

それどころか、PC化戦略をすすめるOSでiPhoneを提供する戦略によってアップル自体がなくなってしまわないか、それほど大きな問題だと感じている。

 

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